花組ファントム東京公演
観てきました。
観劇記をここで書いちゃう。 宝塚大劇場で観たときは、どうしても宙組ファントムと比較しながら見てしまいましたが、 今回は最初っから花組バージョンを見るぞーー!と、頭の中で花組にスイッチが切り替わっていました。 大劇場の初日近くから久々に見るファントムです。 春野さんの歌声に益々磨きがかかっていますね。素直に伸びる歌声にかなりクラクラさせられました。 すっかり貴公子風のエリック像を作り上げている春野さんは、場面ごとの歌を丁寧に歌うことにより、その歌声でエリックの感情を細かに表しているようでした。 「ファントム」=「泣くぞーー」という見る側の心構えのせいもあり、エリックがクリスティーヌの歌声を初めて聞いてうっとりするあたりから、私はもう泣きモードに入ってました。 春野エリックを見ながら、彼は、自分を愛してくれた唯一の女性である母親との思い出だけで生きてきた少年だったんだなぁと今日はつくづく感じました。 だからこそ母親と同じ美しい声を持ったクリスティーヌを愛してしまうんだけど、その愛し方が猟奇的なんだな。 なんで猟奇的かっていうと、クリスティーヌをものすごく愛していて、愛しいクリスティーヌを落とし入れたカルロッタを憎しみから簡単に殺してしまうのに、自分の顔を見たクリスティーヌが恐怖のあまり逃げ去ってしまった瞬間にクリスティーヌの愛を打ち消そうと冷静さを保つところ。ちょっと薄ら寒さを感じたのは私だけかな? 銀橋で母の思い出を歌う春野エリックは失恋の絶望感はなくて「やはりあの人は僕の母親ではなかった」という、当たり前の答えを自分に言い聞かせているように聞こえました。クリスティーヌを通して母親を見ていたんでしょうね。だから手の届きそうなところでクリスティーヌを失ったとき、かすかな望みが失われてしまった彼が、瞬時にあきらめてしまうのは、いつもひとりで生きてきた彼のプライドもあったのだろうけど、心の中も傷だらけの少年がこれ以上傷つきたくないと思ってバリアをはりながらクリスティーヌに接近していって・・何事もなかったかのように終わってしまった・・・という風にも感じられたのです。 そう、春野エリックは実年齢の青年ではなくて、あくまで母親の愛を求める少年なんです。 だからこそクリスティーヌの腕の中で息を引き取る顔があんなにも安らかなんだと・・・自分なりに解釈しながら見ていたので、後半は涙でグズグズでした。 桜乃さんのクリスティーヌが純粋で楚々としているだけに感情移入が簡単にできてどんどん入り込んでしまいました。 桜乃さんて本当にタカラヅカらしい娘役さんですよね。観客の支持を受けているらしく、クリスティーヌが出てきた瞬間に拍手が起こったのにちょっとびっくりしました。 花組版のエリックの人物像がくっきりとできあがったおかげで、父親のキャリエールと抱き合う銀橋の場面も泣けました。ここでは二人の歌声の美しさが感動を倍増させます。 フィナーレのショーはただただうっとりさせられます。 春野さんがカツラをとって地毛で出てくる大階段の男役さんの群舞でふと気付いたこと。 男役さんの襟足がみんな長くなってるーーー。 リーゼントなのに後ろ髪が長くて外はねになっている人が多かったです。 最近の流行なのかな?燕尾姿で襟足の長い男役さんにちょっと「萌え」でした(^^)
by moonislandn
| 2006-08-28 00:47
| 観劇記
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