仕事がバタバタしていて、日曜日に鈴本演芸場で見た寄席の感想が遅くなっちゃいました。
今回ね、演芸場で泣いちゃったんです。
ニューマリオネット・糸操り・伊原寛・千寿子とパンフに書いてあります。
色物・・・落語の合い間に挟まれる漫才とかマジックとか曲芸を「イロモノ」と呼ぶのです。
今回は操り人形のご夫婦が出てきました。
かなり高齢のご夫婦です。舞台に出て来て一言も話さずに一礼をすると「花笠音頭」が鳴り始めて、ご夫婦はやおら2体の操り人形を動かし始めました。
その2体の人形は不二家のペコちゃん・ポコちゃんににているお目めのクリっとした愛らしい人形でそれはそれは上手に楽しそうに「花笠音頭」を踊り始めました。
その瞬間に涙がだばーーーっと出たんですよ。
一体どうしたっていうのサ?わからないんだけどまずは人形の動きに感動して(涙)
でもって愛らしいペコちゃんポコちゃんとは対照的なまでに無表情なご夫婦の顔を見て(涙)
ご主人はちょっとは人形に合わせてニコっと微笑むんですけど、奥様は、まるで皇室の方のように表情を動かさない。
な・なんなんだこれは・・・よくわからんが、涙が止まらない。ボロボロボロボロ拭っても出てくるの。
「秋田民謡」「安来節」と威勢の良い音楽とかわいらしい動きと無表情な操り師。
シュールだシュールすぎるのだ。
ポコちゃんがお酒飲んでとっくりをひっくり返したり覗き込んだりして「ちぇっ、もうないのかよ」って動作してる。
わ、立ちションしてるし・・あーーっ酔っ払って舞台からづり落ちちゃった・・・あ、這い上がってきた。
その動作はとてもスムーズです。人形にはものすごくたくさん糸がついていて、それをハープを奏でるようなしぐさで操るのです。
その職人技たるや「ブラボー!」です。
私は最後まで泣きながらそれを見ていました。
とっても楽しくて子供みたいにワクワクしながら、そうだ童心に返れたことにも泣けたのかもしれない。
なんて素敵なんだろう。
このかなりな年齢のご夫婦に後継者はいるのだろうか?
そんなことまで気になってしまった。これは是非引き継いでいただきたい芸です。
惚れました
東京に住んでいたら弟子になりたいくらいです。本当に!
今回このマリオネットにやられてしまい、落語よりも興奮して書いてしまいました。
寄席ってさぁ、こういう衝撃的な出会いが時としてあるんですよ。
あ、漫才の「にゃん子・金魚」も違う意味で衝撃的だったわ。
演芸場、見て損はないです。